瑞々しさと鮮やかな発色が人気のプリザーブドフラワー。
プリザーブドの花材はお花、実もの、グリーン等、種類が豊富です。
近年ではたくさんの種類の実物や(葉)リーフなどもプリザーブド加工されて流通しています。
種類が豊富なプリザーブドフラワーですが、主役を飾るのはなんといってもお花です。
バラやカーネーションに目がいきがちですが勝るとも劣らない種類を誇るのがプリザーブドフラワーのアジサイです。
アジサイといえば小花がいくつも集まって大きいボール状に集まった可憐なお花。
その特徴を利用してそのまま使用したり、小分けに使用したり、花びらを1枚づつに分けて使用したり。
プリザーブドフラワーアレンジメントの幅を広げてくれるすてきな花材のひとつです。
この記事では、プリザーブドフラワーのアジサイの魅力と基礎知識について解説します。
プリザーブドフラワーのアジサイの魅力を知って、オリジナルのデザインやアレンジのヒントを得ていただけたら嬉しいです。
プリザーブドフラワーデザイナー
小野梨花
RikaOno
プリザーブドフラワーの教室を運営や、都心百貨店でのデザイナー経験、ECショップ運営、コンテスト入賞多数のプリザーブドフラワーに魅入られて、つくり続けているプリザーブドフラワーオタク。 プリザーブドフラワーオンライン動画スクールの企画・撮影・編集をしています。
アジサイは、その可憐な小花が集まった独特の形状が美しい日本を代表するお花の一つです。
特に梅雨の季節、鮮やかな色合いが雨の中でも輝き、雨の似合う花というイメージがあります。
アジサイは日本原産のお花で、18世紀ころ日本から海外にわたり品種改良されて逆輸入。
現在では2000種類以上の品種に増え、毎年新しい品種が誕生しています。
アジサイの花の色は土の酸度(pH)によって変化します。
酸性の土では青系の色、アルカリ性の土では赤系の色になります。
土の酸度(pH)を調整することによって花色を変えることが可能です。
アジサイの特徴といえば、小さな小花が集まってボール状になった独特の形状。
実はアジサイの可憐な花びらは実は花ではなく「ガク」と呼ばれる部分。
実際の花は中心部にある小さいつぼみのような部分なんです。
その美しい外観と多彩な色合いから、アジサイはフラワーギフトとしてもとても人気があります。
ガーデニングや鉢植えでも人気のお花です。
先に「アジサイ」という呼び名があり、後から「紫陽花」という漢字をあてたからです。
アジサイの語源には諸説ありますが、藍色が集まったものを意味する「あづさい (集真藍) 」がなまったものといわれています。「あづ」は小さいものが集まることを意味し、「さい」は藍色の花や、真藍(さあい)を表します。 青い小花が集まって咲くことから、この名がつけられたとされています。
シーボルトといえば江戸時代後期に日本に近代的な医学を伝えた人物として有名です。
医学だけではなく日本国内の珍しい植物を研究し帰国後に「日本植物誌」を刊行しました。
この中に当時ヨーロッパにはなかったアジサイを、彼が愛した日本人妻の愛称「オタキさん」にちなみ「オタクサ」と命名して紹介しました。そう、世界にアジサイを広めた人物の一人なんです。
それにしても愛する女性の名を日本から持ち帰ったアジサイにその名をつけるなんてロマンチックな話ですね。
アジサイは日本原産の植物で万葉集にも詠まれているほど古くから知られています。古くから人々に親しまれていた植物ですが、葉っぱを口にすると嘔吐やめまいなどの症状を引き起こすといわれています。そのため毒がある植物だといわれていますが現在でもその毒性はハッキリと解明はされていません。厚生労働省は「自然毒のリスクプロファイル:高等植物:アジサイ」として食べるのを避けるよう促しています。
アジサイの共通の花言葉は「移り気」です。これはアジサイの花の色が時期によって変わることからつけられたといわれています。他にも小さい花が集まっている姿から「家族」や「団らん」という花言葉もあります。
そのため家族愛や友愛の象徴としてプレゼントにアジサイを贈る人が増えています。
ちなみにアジサイは色によっても花言葉が違います。青は「辛抱強い愛情」。白は「寛容」。ピンクは「元気な女性」。
ですのでピンクのアジサイを使ったアレンジを母の日や敬老の日の贈り物に選ぶ人も多いです。
生花のアジサイは水揚げが難しいお花ですが、プリザーブドフラワーのアジサイはお手入れがほとんどいりません。
生花のアジサイは色彩が豊かですが、プリザーブドフラワーのアジサイも負けてはいません。
メインにもサブにもアレンジの幅も広いことからプリザーブドフラワーに欠かすことができないお花の一つです。
今回はプリザーブドフラワーのアジサイの4つの特徴をご説明します。
- 幅広く使える
- 表現豊かなカラー
- 小分けにして使えばアレンジの幅が広がる
- 種類が豊富
①プリザーブドフラワーのカーネーションの特徴【1】メインにサブに自由自在
ボールのような形が特徴的なプリザーブドフラワーのアジサイは、そのままの形でも充分に存在感があります。
また、お花を小分けにしたり花びらを1枚ずつバラバラにしたりしてアレンジに使えます。
葉っぱ(グリーン)の役割りとして花材の隙間を埋めるために使うこともできます。
アレンジの仕方によって主役にもわき役にもなれるのがプリザーブドフラワーのアジサイ。
そのままの形を利用したり、リースやトピアリーに加工したりと自由自在。
プリザーブドフラワーのアジサイはあらゆる形に変化しアレンジメントに欠かせない花材です。
②プリザーブドフラワーのアジサイの特徴【2】豊富なカラーバリエーション
プリザーブドフラワーのアジサイの特徴は豊富なバリエーションを誇るカラー。
プリザーブドフラワーは本来の色を一度脱色して、真っ白に漂白されてから染められます。
生花には存在しない黒やチョコレート色のアジサイも販売されています。
またお洒落なグラデーションや、やわらかなパステルなどイメージを広げるカラーがたくさんあります。
更に近年、染色の技術が向上しまるで本物と見間違うような色合いのものも開発されています。
毎年新しいカラーの商品が販売されますので是非いろいろなバリエーションを楽しんでください。
プリザーブドフラワーのアジサイは、濃い色から淡い色まで豊富です。
くすみカラーやニュアンスカラーはおしゃれな雰囲気が出せます。
2種類のアジサイを混ぜても可愛いですよ。
③プリザーブドフラワーのアジサイの特徴【3】ワイヤリングで広がるアレンジ
ふんわりボリューム感があるプリザーブドフラワーのアジサイ。
そのままアレンジしても楽しいですが、小さなサイズに分けても使えます。
ただプリザーブドフラワーのアジサイを小分けにすると茎が短くてやわらかいのでそのままでは不便。
そのままではフォーム(オアシス)などに固定しずらいのでワイヤーを使って補強するのがおすすめです。
プリザーブドフラワーの基本テクニックのワイヤリング(ツイスティングメソッド)をマスターすると非常に便利。
プリザーブドフラワーアレンジメントに使うことが非常に多いプリザーブドフラワーのアジサイ。
ツイスティングのテクニックを覚えれば、お好きなサイズにアジサイを加工できアレンジの幅が広がります。
④プリザーブドフラワーのアジサイの特徴【4】豊富な種類
生花のアジサイの種類も種類が多いですがプリザーブドフラワーのアジサイも種類があります。
たくさんのあじさいのプリザーブドフラワーが流通しています。
中には季節限定の種類や色合いも。
プリザーブドフラワーのあじさい国内流通No.1といえば、大地農園さん。
年間通じて、比較的安定したプリザーブドあじさいの流通を頑張ってくれている国内企業です。
- ピラミッドアジサイ
- ゆめアジサイ
- アナベルアジサイ
ピラミッドアジサイのお花はボール状ではなく三角錐状。
その姿がピラミッドに似ていることから名付けられました。
プリザーブドフラワーのアジサイの中では色のバリエーションが一番豊富です。
全体に小ぶりで丸みがある花びらが特徴でポップでかわいい印象をあたえてくれます。
小ぶりのサイズなのでアレンジメントの隙間を埋めたり、下地にしたりと多用途に使えます。
ゆめアジサイは日本のいたるところで見ることのできるてまり咲きのアジサイです。
プリザーブドフラワーのアジサイでは花びらが大きめ。
少し直線的な三角やひし形っぽい花びらが特徴です。
ピラミッドアジサイと比べると大きくカクっとした形から少し固い印象で、どこか和の雰囲気を感じます。
アナベルアジサイは北米原産の花びらが小さな白いアジサイ。
こんもりとした毬のような花が特徴です。
プリザーブドフラワーのアナベルアジサイは今回紹介している三種類の中で一番花びらの部分が小さく繊細。
力を込めすぎるとポロポロと花びらが取れてしまったり、ステム(茎)が折れてしまったりします。
扱いに注意がいりますがその繊細な雰囲気は魅力です。
アジサイの種類 | 特徴 | プリザーブドの魅力 |
---|---|---|
ピラミッドアジサイ | – ボール状ではなく三角錐状の花 – 色のバリエーションが豊富 – 小ぶりで丸みがある花びら | – ポップでかわいい印象 – アレンジメントの隙間を埋めたり、下地にするなど多用途に使える |
ゆめアジサイ | – てまり咲き – 花びらが大きめで直線的な三角やひし形 – 日本のいたるところで見られる | – 和の雰囲気を感じさせる固い印象 |
アナベルアジサイ | – 北米原産の小さな白い花びら – 毬のような花形 – 花びらが小さく繊細 | – 繊細な雰囲気が魅力 – 扱いに注意が必要 |
いかがでしたか?
プリザーブドフラワーアレンジメントにおけるアジサイの重要さをわかっていただけたでしょうか。
ふんわりとまあるい形はそのまま飾るだけでもとても魅力的。
更にツイスティングを使い小分けにするテクニックを覚えれば、非常に便利。
葉っぱの代わりに使ったり、花材の隙間を埋めたりとアレンジの幅が広がります。
更に難易度が高いリースやトピアリーにも活用できます。
皆さんもプリザーブドフラワーのアジサイを使い、アレンジメントに挑戦してみてください!
今回の紹介がプリザーブドフラワーを深く理解するきっかけやヒントになってくれれば幸いです。